2019年の10月ごろ、銀行のキャッシュカードを壊してしまったので、めんどくさいと思いながら店頭窓口まで再発行の手続きに行った。手続きが終わってさあ帰ろうかというところで、今思えば銀行の投資信託の営業担当だったのであろうおばちゃん(残念ながらおねえさんという歳ではなかった)に、おすすめのいい商品があるんですよというような感じで別室に連れ込まれてしまった。

もう細かいところはぜんぜん覚えていないのだが、おすすめされたのは分配金の出る投資信託や、国内に投資する投資信託だった気がする。そこで自分が
  • 分配金が出るということは、投資元本が目減りするからお金が増えないのでは?
  • 国内投資ということは、日本一国に集中投資するリスクがあるのでは?
とつっこんだら、なんか困った顔をしていた気がする。

なんでこんな冷静なつっこみができがかというと、橘玲さんの本をいくつか読んでいて
  • 利益の再投資による複利効果
  • たまごを一つのカゴに盛るな
というキーワードを覚えていたからなのであった。私が読んだ氏の本は執筆された時期が古く、ネット証券をはじめとする近年のめぐまれた投資環境に合った具体的な行動指針が書かれてなかったため、読んでふーんという感じで投資を始めるまでにはいたらなかったのだが、思わぬところで役に立った。

そんなこんなでどうも私にこの場でおすすめ商品を買わせるのは無理そうだと覚ったのか、おばちゃんは方針を転換してNISAやつみたてNISAはご存じですかと尋ねてきた。当時は投資のことなどぜんぜん知らない私は、まったく知らないと答える。するとおばちゃんは、店頭では取り扱ってないけれどオンラインバンキングで取り扱っていておすすめなんですよ、当銀行のオンラインバンキングは使われてますか、と尋ねてきた。非常に便利なサービスなので以前から使っていると答えると、おばちゃんはほくほく顔でぜひ当社のオンラインバンキングサービスでNISAやつみたてNISAを始めてください、おすすめですよ、ともろもろのパンフレットを渡されて、その場は解放された。

こうして私に、つみたてNISA、というキーワードがインプットされたのであった。続く